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創業間もない会社でも入札に参加できる?実績が少ない会社の始め方

公開:2026年11月1日

「うちは創業したばかりで実績がない。入札なんて相手にされないのでは」。そう考えて、最初からあきらめている会社は少なくありません。実は国は、創業10年未満の中小企業を「新規中小企業者」として、契約の目標を別に立てています。令和8年度の目標は国等全体で3%以上です。創業間もない会社が参加するための道筋と、気をつけたい点をまとめます。

この記事でわかること

先に答え:創業間もない会社にも参加の道はある

結論から言うと、創業して間もない会社でも、国や自治体の入札や見積に参加する道はあります。理由は3つです。

  1. 国は、創業10年未満の中小企業(新規中小企業者)向けの契約の目標を、毎年の基本方針で立てている
  2. 国の基本方針は、発注する側に「過去の実績を過度に求めない」「下位の等級の会社も参加できるようにする」といった配慮を求めている
  3. 金額の小さい仕事は見積で決まることが多く、資格の等級が低くても参加しやすい

ただし、実績を求める募集や、地元に営業所があることを条件にする募集もあります。どの案件に出られるかは、公告の「参加資格」の欄で一件ずつ確かめることになります。

国は「創業10年未満」向けの目標を立てている

国は、官公需法(官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律)にもとづいて、毎年「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」を閣議決定しています。令和8年度の方針(令和8年4月)では、目標が次のように定められています。

目標令和8年度
中小企業・小規模事業者向けの契約の比率61%
中小企業・小規模事業者向けの契約の金額6兆4,572億円
新規中小企業者(創業10年未満)向けの契約の比率3%以上

新規中小企業者は、創業10年未満の中小企業・小規模事業者のことです。方針では、新規中小企業者の契約比率について、前年度までの実績を上回るよう努め、国等全体として3%以上を目標とするとしています。さらに、スタートアップを含む新規中小企業者の受注の機会を増やすことにも取り組むとしています。

目標の全体像は国の契約の61%を中小企業へで詳しく紹介しています。

ここがポイント

目標は「国全体でこれくらいを目指す」という数字で、1件ごとに創業間もない会社を優先するという意味ではありません。それでも、発注する側に「新しい会社にも機会を」という方針があることは、参加をためらう理由を1つ減らしてくれます。

基本方針が求めている「新しい会社への配慮」

令和8年度の基本方針は、新規中小企業者の受注の機会を増やすために、国などに次のような配慮を求めています。

また、都道府県知事が認定した新しい商品や役務(いわゆる「トライアル発注認定商品等」)について、新規中小企業者が取り組むものの受注の機会を増やすことも挙げられています。地方自治法施行令第167条の2第1項第4号は、自治体の長の認定を受けた会社が作る新商品の買入れや、新しい役務の提供を受ける契約を、随意契約にできる場合として定めています。自社の新しい商品や役務が当てはまりそうなら、所在地の都道府県や市の制度を調べてみる価値があります。

資格の等級は、どう決まる?

国の入札に出るには、全省庁統一資格が要ります。この資格には、A〜Dの等級があります。等級は、申請のときの数字を点数にして、合計点で決まります。調達ポータルの公示では、「物品の販売」「役務の提供等」の等級は次のとおりです。

合計点等級予定価格の範囲(物品の販売・役務の提供等)
90点以上A3,000万円以上
80点以上90点未満B1,500万円以上3,000万円未満
55点以上80点未満C300万円以上1,500万円未満
55点未満D300万円未満

点数のもとになるのは、年間の平均の売上高、自己資本の額、流動比率、営業年数です(物品の製造は機械設備等の額も入ります)。営業年数は、10年未満がいちばん低い段階です。創業して間もなく売上も小さい会社は、どうしてもC やDの等級になりやすいのが実情です。

下の等級でも出られる仕事はある

国の基本方針は、入札やオープンカウンターの見積合わせを、なるべく同じ等級の中で競うよう求めています。つまり、D等級の会社は、予定価格の小さい案件で、同じD等級の会社と競う形になりやすいということです。大手と同じ土俵に立つ必要はありません。

創業間もない会社は、まず金額の小さい案件や見積から始めて、実績を1件ずつ積むのが現実的な道です。小さな仕事から始める方法は「入札は難しそう」と感じたらで紹介しています。

申請の書類で気をつけたいこと

全省庁統一資格の申請では、法人なら登記事項証明書、財務諸表、納税証明書などを添えます。創業間もない会社が気をつけたい点は次のとおりです。

自治体の入札参加資格は、自治体ごとに書類や条件が違います。決算の書類や営業年数の扱いも自治体ごとに違うことがあるので、参加したい自治体の要領を早めに確かめておきましょう。申請の時期は自治体の入札参加資格は、いつ申請する?にまとめています。

実績が少ない会社の、最初の一歩

創業間もない会社が最初の1件をとるまでに、やっておきたいことをまとめます。

やること中身
出せる仕事をしぼる本業でそのまま出せる仕事と、動ける地域を決める
資格をとる国の全省庁統一資格と、地元の自治体の資格を確かめる
小さな案件を探す実績を求めない募集、金額の小さい見積、オープンカウンターを中心に見る
民間の実績を整理する公共の実績がなくても、民間で同じ仕事をした実績は、提案や見積の説明に使える
相談の窓口を使うわからないことは、官公需相談窓口や発注機関の担当に聞く

公共の仕事の実績は、1件とれると次の入札で「同等の業務の実績」として示せるようになります。実績を信用につなげる方法は「信用と実績を積みたい」で紹介しています。

まとめ

実績を求めない募集や小さな見積は、毎日見ていないと見逃しがちです。入札ウォッチの無料登録で、業種と地域に合う新着の公告を週1回メールで受け取れます。

出典・参考にした公式の情報

制度や金額は記事を書いた時点のものです。実際に申し込むときは、発注機関の公告・仕様書と、上の公式の情報で確かめてください。この記事は一般的な情報で、個別の案件への参加や落札を約束するものではありません。