入札の基本

自治体の入札参加資格は、いつ申請する?定期受付と随時受付の違い

公開:2026年10月30日

「国の全省庁統一資格を取ったから、県の入札にも出られるはず」。そう思って申し込もうとしたら、県の資格がなくて参加できなかった、という話はよくあります。都道府県や市区町村の入札に参加するには、その自治体ごとの資格が要ります。しかも受付の時期が決まっていて、見逃すと1年近く待つこともあります。受付の種類と、時期の調べ方をまとめます。

この記事でわかること

自治体の資格は、国とは別に申請する

国の機関の入札には「全省庁統一資格」が使えますが、これは国の資格です。都道府県や市区町村は、地方自治法施行令にもとづいて、自治体ごとに入札に参加する者の資格を定めています。たとえば福岡市の契約事務規則には、市長が地方自治法施行令第167条の5第1項の規定により、あらかじめ契約の種類と金額に応じた資格を定める、という趣旨の決まりがあります。

つまり、参加したい自治体の数だけ、資格の申請が要ると考えておくのが基本です。県と、その県の中の市は、別々の自治体なので、県の資格を持っていても市の入札には別に申請が要ります。

発注する機関必要な資格申請先
国の省庁・出先機関全省庁統一資格調達ポータル(1か所の申請で全省庁)
都道府県その都道府県の資格都道府県の契約担当
市区町村その市区町村の資格市区町村の契約担当
独立行政法人・国立大学など機関ごとに決まり(統一資格を使うところもある)公告で確かめる

国の資格の取り方は全省庁統一資格の取り方にまとめています。

国の申請情報が自治体に渡る仕組みもある

全省庁統一資格の公示には、申請者が同意した場合、申請の情報と添付書類を地方公共団体に提供することがある、と書かれています。自治体の申請が楽になる場合もありますが、それで自治体の資格が自動的にとれるわけではありません。自治体の申請の案内を確かめてください。

受付は「定期」と「随時・追加」の2種類

自治体の資格の受付は、多くの場合、次の2つに分かれています。

この「随時」がいつでもなのか、年1回なのかが、自治体によって大きく違います。ここを見落とすと、参加したい入札の時期に資格が間に合いません。

例1:北海道(庁舎等の清掃・警備などの資格)

北海道の、庁舎等清掃・庁舎等警備・庁舎等消防設備保守点検・ボイラー等運転操作の4つの業務の資格は、令和7・8・9年度の分について次のように受け付けていました。

受付の種類期間
定期申請令和6年11月11日〜11月29日
随時申請令和7年2月3日〜令和9年12月28日
資格の有効期間(随時)資格通知日から令和10年3月31日まで

定期申請は、資格が使えるようになる年度の前の年の秋に受け付けていたことがわかります。また、定期の受付が終わってから随時の受付が始まるまでのあいだ(令和6年12月2日〜令和7年1月31日)は受け付けない期間になっていました。随時申請は、有効期間の終わりが近い令和9年12月まで開いています。

例2:福岡市

福岡市は、競争入札参加資格の審査申請(業者登録)を、3年ごとに定期申請、1年ごとに追加申請として、どちらもインターネットで受け付けています。令和8・9年度の追加登録は、受付期間が令和8年1月19日〜2月20日、登録の有効期間は令和8年8月1日〜令和10年7月31日でした。

受付の種類時期の考え方(福岡市の例)
定期申請3年ごと
追加申請1年ごと(令和8・9年度分は令和8年1月19日〜2月20日)
有効期間(追加登録)令和8年8月1日〜令和10年7月31日

北海道の随時申請は2年以上開いていましたが、福岡市の追加申請は1年ごとの約1か月です。同じ「随時・追加」でも、開いている期間がまったく違うことがわかります。福岡市の場合、この期間を逃すと、次の追加申請まで待つことになります。

ここに書いた日付は過去の例

上の日付は、それぞれの自治体が公表していた過去の受付の例です。次回の受付時期は変わることがあります。申請するときは、各自治体の契約担当のページで最新の受付期間を確かめてください。

申請の時期を逃さないための準備

  1. 参加したい自治体を決める:まずは本社のある市と県、次に車で通える近くの市町村、という順に考えると、納品や作業にも無理がありません
  2. 契約担当のページを見つける:自治体のホームページで「入札参加資格」「業者登録」「競争入札参加資格審査」などで探します。工事と、物品・役務(委託)でページが分かれていることが多いので、自社に合う方を見ます
  3. 受付の種類と期間を書き出す:定期か随時か、随時ならいつでもか年1回か、有効期間はいつからいつまでかを、自治体ごとに表にしておきます
  4. 書類を先にそろえる:登記事項証明書、納税証明書、財務諸表など、国の申請と重なる書類が多くあります。自治体によっては市税の納税証明書を求めることもあるので、案内を確かめます
  5. 受付の開始日にカレンダーで印をつける:年1回の受付の自治体は、開始の1か月前に準備を始めると慌てません

自治体の仕事は、地元の会社を対象にした募集もあり、移動の負担が小さいぶん小さな会社でも始めやすい面があります。売上の波を減らす考え方は公共の仕事で売上を安定させるでも紹介しています。

よくある疑問

資格をとれば、その自治体の仕事がもらえる?

資格は「入札や見積に参加できる」という入り口で、仕事が割り当てられるものではありません。資格をとったあとに、公告を見つけて参加する必要があります。

資格がなくても参加できる仕事はある?

金額の小さい見積の仕事などで、資格を条件にしない募集を出す自治体もあります。ただし、資格を持っていることを条件にする募集も多いので、参加したい自治体の資格は早めにとっておくと選べる仕事が増えます。

まとめ

資格がそろったら、次は募集の見つけ方です。入札ウォッチの無料登録で、業種と地域に合う新着を週1回メールで受け取れます。

出典・参考にした公式の情報

制度や金額は記事を書いた時点のものです。実際に申し込むときは、発注機関の公告・仕様書と、上の公式の情報で確かめてください。この記事は一般的な情報で、個別の案件への参加や落札を約束するものではありません。