入札の基本

全省庁統一資格の取り方。申請の手順・必要書類・等級の決まり方

公開:2026年10月30日

国の省庁や出先機関の入札・見積に参加したいと思ったら、最初に必要になるのが「全省庁統一資格」です。名前はかたいですが、1回の申請で、全省庁の調達に共通して使える資格です。いまの資格は令和7・8・9年度のもので、定期の受付は終わっていますが、随時の申請は令和10年3月10日まで受け付けています。手順と書類、等級の決まり方を順番に見ていきます。

この記事でわかること

全省庁統一資格とは

全省庁統一資格は、国の機関が行う物品の製造・物品の販売・役務の提供等・物品の買受けの競争(入札など)に参加するための資格です。工事や建設コンサルタントの資格とは別のもので、清掃や警備などの委託、印刷、システムの保守、事務用品の納入といった「工事以外の仕事」の多くがこちらに入ります。

いちばんの特徴は、省庁ごとに申請しなくてよいことです。調達ポータルの案内では、1つの申請場所に申請すれば、希望した競争参加地域ごとに、各省庁のすべての調達機関で有効になるとされています。対象には、各省庁のほか、衆議院・参議院・最高裁判所・会計検査院なども含まれ、外局や地方の出先機関も含まれます。

項目内容(令和7・8・9年度の資格)
資格の種類物品の製造/物品の販売/役務の提供等/物品の買受け
有効期間資格を付与されたときから令和10年3月31日まで
定期審査令和7年1月31日で受付終了
随時審査令和7年2月1日から令和10年3月10日まで受付
申請の方法インターネット、または郵送・持参(どちらか一方)

独立行政法人や自治体は別の資格

国立大学や独立行政法人、都道府県・市区町村は、それぞれ別に資格を定めていることがあります。全省庁統一資格を求める独立行政法人もありますが、まずは参加したい機関の公告で「どの資格が要るか」を確かめてください。自治体の資格については自治体の入札参加資格は、いつ申請する?にまとめました。

今から申請するなら「随時審査」

令和7・8・9年度の資格の定期審査は、令和7年1月31日で受付を終えています。いま申請する会社は「随時審査」になります。随時審査で取った資格も、有効期間の終わりは同じ令和10年3月31日です。

気をつけたいのは、資格は付与された時点から有効になることです。調達ポータルでも、申請が混み合うと付与まで時間がかかり、希望する入札に間に合わないことがあると注意しています。入りたい募集を見つけてから申請するのでは遅いことが多いので、「いつか参加したい」と思った段階で先に取っておくのが安全です。

申請の手順(インターネットの場合)

インターネット申請は、調達ポータルの「統一資格審査申請」から行います。新規に申請する会社は、案内に従って「ログインせずに申請」を選び、「新規申請」から入ります。電子証明書やICカードがなくても申請できる、ということです。

  1. 申請する資格の種類と営業品目を決める:たとえば印刷なら「物品の製造」の印刷類、システムの保守なら「役務の提供等」の情報処理やソフトウェア開発、というように、自社の仕事に合う品目を選びます
  2. 競争参加地域を選ぶ:北海道、東北、関東・甲信越、東海・北陸、近畿、中国、四国、九州・沖縄の8つの地域から、複数選べます。実際に納品や作業に行ける地域を選びます
  3. 申請書を入力する:会社の基本情報、売上高、自己資本、営業年数などを入力します。申請項目の「定期・随時の確認」では「随時」を選びます
  4. 添付書類を出す:申請書をインターネットで出し、添付書類は郵送で出すこともできます
  5. 審査を待つ:審査のあと資格が付与され、そこから入札に参加できるようになります

郵送・持参で申請する場合は、申請書を調達ポータルから出力するか、申請場所で無料でもらい、受付窓口になっている国の機関に出します。持参の受付は土日休日を除く10時から16時、郵送は書留郵便なども使えます。受付窓口は調達ポータルの「受付・審査窓口検索」で探せます。

添付書類

令和7・8・9年度の公示では、インターネット申請の添付書類として次のものが挙げられています。

書類法人個人
登記事項証明書の写し要る―
財務諸表要る営業用純資本額に関する書類と収支計算書
納税証明書の写しその2とその3の3その2とその3の2

納税証明書の対象の税目は、法人なら消費税及び地方消費税と法人税、個人なら消費税及び地方消費税と所得税です。令和7年1月の定期申請から「その2」の添付が必須になりました。e-Taxで取った電子納税証明書も使えます。行政書士などの代理人が申請する場合は委任状が必要です。

書類の組み合わせは公式の案内で最終確認を

納税証明書には、申告に関する申出書と組み合わせる方法もあるなど、細かい決まりがあります。申請の前に、調達ポータルの「インターネットによる申請」「郵送・持参による申請」のページで最新の組み合わせを確かめてください。

等級A〜Dは点数で決まる

資格には等級があり、どの等級になるかで参加できる入札の金額の目安が変わります。等級は、公示の別記4にある項目ごとに点数をつけ、その合計で決まります(最高100点)。

審査の項目点数の幅(物品の製造以外の場合)
年間平均の販売高15点(2,500万円未満)〜65点(200億円以上)
自己資本額の合計3点(100万円未満)〜15点(10億円以上)
流動比率4点(100パーセント未満)〜10点(140パーセント以上)
営業年数6点(10年未満)〜10点(20年以上)

物品の製造は配点が少し違い、機械設備等の額(3〜15点)も加わります。合計点が90点以上ならA、80点以上90点未満ならB、55点以上80点未満ならC、55点未満ならDです(物品の製造・物品の販売・役務の提供等の場合)。

全省庁統一資格の等級は、合計点で決まる(調達ポータル「競争参加者の資格に関する公示」をもとに作成)
全省庁統一資格の等級は、合計点で決まる(調達ポータル「競争参加者の資格に関する公示」をもとに作成)

たとえば、物品の製造以外で、年間の販売高が5,000万円〜1億円(25点)、自己資本が1,000万円〜1億円(9点)、流動比率が140パーセント以上(10点)、営業年数10年未満(6点)の会社なら、合計50点でD等級です。小さな会社はC・D等級になることが多いと考えておくと、選ぶ募集の見当がつきます。

D等級でも参加できる仕事はある

公示の別記5には、等級ごとの予定価格の範囲も示されています。たとえば物品の製造では、Dは400万円未満、Cは400万円以上2,000万円未満の区分です。金額の小さい仕事はD等級の会社にも開かれているので、等級が低いことを理由にあきらめる必要はありません。実際の入札でどの等級が対象かは、募集ごとの公告に書かれています。

取ったあとにやること

資格が付与されたら、次は募集を見つける段階です。国の募集は、各機関のホームページの「調達情報」や、調達ポータルの調達情報の検索で探せます。最初は、自社がふだんやっている仕事とほとんど同じ内容で、金額の小さい見積の募集から始めると、書類や手続きに慣れやすくなります。見積で決まる仕事については「入札は難しそう」と感じたら、最初の1件までの流れは「仕事が欲しい」小さな会社が、国や自治体の仕事をとるまでで紹介しています。

また、申請のときに同意すると、申請の情報と添付書類が地方公共団体に提供されることがある、と公示に書かれています。自治体の資格の申請が楽になる場合もあるので、申請画面の説明を読んで判断してください。

まとめ

資格を取っても、自社に合う募集を毎日探すのは手間がかかります。入札ウォッチの無料登録で、業種と地域に合う新着を週1回メールで受け取れます。

出典・参考にした公式の情報

制度や金額は記事を書いた時点のものです。実際に申し込むときは、発注機関の公告・仕様書と、上の公式の情報で確かめてください。この記事は一般的な情報で、個別の案件への参加や落札を約束するものではありません。