入札の基本

入札結果と落札価格の調べ方。次に出す価格の目安にするには

公開:2026年11月2日

入札で「いくらなら取れるのか」を考えるとき、いちばん頼りになるのは過去の結果です。国の契約は、一定の金額を超えるものについて、相手の会社名・契約金額などが各省庁のホームページに公表されます。工事は国も自治体も、法律で入札者と入札金額の公表が決まっています。この記事では、結果を探す場所、公表されない範囲、結果の読み方と次の価格への生かし方を順番に説明します。

この記事でわかること

先に答え:発注者ごとに、探す場所が違う

入札の結果は、1つのサイトにすべて集まっているわけではありません。発注する側と、仕事の種類によって探す場所が変わります。

調べたい結果探す場所分かることの例
国の省庁の契約各省庁のホームページの「公共調達の適正化」「契約に係る情報の公表」件名、相手の会社名、契約金額、落札率など
国の案件の落札実績をまとめて調達ポータルの「落札実績情報」落札実績のオープンデータをダウンロードできる
国・自治体の工事発注機関のホームページや電子入札の情報サービス入札者名と入札金額、落札者名と落札金額
自治体の物品・役務その自治体の入札・契約のページや電子調達システム自治体によって、載せる範囲と項目が違う

まずは、参加したい発注機関の名前と「入札結果」「契約情報」で検索するのが近道です。見つからなければ、その機関の担当の部署に、結果をどこで見られるかを問い合わせてみてください。

国の契約は「公共調達の適正化」の一覧で調べる

国の省庁は、平成18年の財務大臣通知「公共調達の適正化について」にもとづいて、契約の情報を公表しています。財務省のページでは、次の4つに分けた一覧を、月ごとのファイルで載せています。

載っている項目

通知は、公表する項目を次のように決めています。

項目使いみち
件名(物品や役務の名称と数量、工事の名称など)自社の業種に近い仕事を見つける
発注した部局の名称と所在地どの部局がその仕事を出しているかを知る
契約を結んだ日毎年の発注の時期をつかむ
相手の会社名と住所どんな会社が受けているかを知る
一般競争か指名競争か、総合評価か決め方を確かめる
契約金額価格の水準を見る
予定価格と落札率上限に対してどのくらいの価格で決まったかを見る
随意契約の根拠の条文と理由見積や公募など、入札以外の決まり方を知る

公表の時期は、原則として契約を結んだ日の翌日から数えて72日以内です(4月に結んだ契約は93日以内にできます)。つまり、結果が載るのは契約から2か月以上あとになることがあります。

載らないもの

次のものは、公表の対象から外れています。

金額は、工事または製造が400万円、物品などの買入れが300万円、物件の借入れが150万円、それ以外の役務などが200万円です。少額の見積の結果は、この一覧では見つからないことが多いと考えておきましょう。

また、予定価格と落札率は、いつも載るとは限りません。他の契約の予定価格を推測させるおそれがあるときは載せないと、財務省中国財務局のページに注記があります。掲載の期間も機関によって差があるので、参考にしたい結果は手元に控えておくと安心です。

調達ポータルの落札実績

調達ポータルの案内では、「事業者検索」で、登録された事業者の情報の検索と、落札実績情報のオープンデータのダウンロードができるとされています。業種や地域を問わず幅広く見たいときは、こちらも確かめてみてください。

官公需情報ポータルサイトにも、検索の条件に「落札日」の項目があります。ただし、すべての情報が載ることを保証するものではないと注意書きがあるので、大事な機関は発注元のページも見ておきます。国の基本方針も、落札結果などの情報をホームページへ載せるなどして情報提供を徹底するとしています。

工事の結果は、法律で公表が決まっている

公共工事については、「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」があります。国(第5条)も地方公共団体(第8条)も、入札者の名称と入札金額、落札者の名称と落札金額などを公表しなければならないと決めています。

自治体の場合、施行令第7条で次のように決まっています。

全員の入札金額がわかるので、「どのくらいの幅に価格が集まっているか」まで見られます。工事に参加する会社には、とても使いやすい情報です。

自治体の物品・役務は、自治体ごとに確かめる

入札契約適正化法は工事についての法律です。物品や役務の結果をどこまで、どこに公表するかは、自治体によって差があります。

たとえば東京都は、東京都電子調達システムで入札予定情報や落札結果情報を閲覧できると案内しています。東京都水道局のページでは、業務委託や薬品買入の入札等の結果が過去5年分公表されています。一方で、ホームページでは見られず、役所の窓口で閲覧する形の自治体もあります。

探すときは、次の言葉を組み合わせてみてください。

見積合わせの結果を、窓口で閲覧できるとしている国の事務所もあります(オープンカウンターとはで紹介しています)。

結果の読み方:落札率から予定価格を逆算する

落札率は、契約金額を予定価格で割って100を掛けた数字です。通知でもこの式が示されています。契約金額と落札率がわかれば、そのときの予定価格の見当がつきます。予定価格そのものが載っていれば、計算はいりません。

計算の例(数字は説明のための架空のものです)

契約金額が240万円、落札率が80%なら、予定価格はおよそ「240万円 ÷ 0.8 = 300万円」です。上限は300万円くらいで、240万円で決まった仕事だったとわかります。

結果を見るときは、金額だけでなく、次の点も一緒に確かめます。

次の価格に生かす3つの手順

  1. 先に自社の価格を積み上げる:人件費、材料費、交通費、経費を、仕様書の数量で計算します。結果を見る前にやると、数字に引っぱられません
  2. 過去の結果と比べる:自社の価格が結果より高いなら、見落としている工夫はないか、そもそも自社に向く仕事かを考えます。低いなら、仕様の読み違いや費用の抜けがないかを見直します
  3. 出す案件を選ぶ:どうやっても赤字になる水準で決まり続けている仕事は、無理に追いかけません。もっと条件の合う機関や仕事に時間を回します

他社の価格に合わせて下げるだけでは続きません

結果は目安であって、取れる価格を保証するものではありません。物価や人件費が変われば、去年の価格は使えないこともあります。赤字の価格で取っても経営は楽になりません。安すぎる入札は調査の対象になったり、最低制限価格で落札できなかったりすることもあります。

落ちたあとの見直しは入札で落ちる理由は5つも参考にしてください。

まとめ

結果を調べる前に、まずは募集そのものを見逃さないことが大切です。入札ウォッチの無料登録で、業種と地域に合う新着の公告を週1回メールで受け取れます。

出典・参考にした公式の情報

制度や金額は記事を書いた時点のものです。実際に申し込むときは、発注機関の公告・仕様書と、上の公式の情報で確かめてください。この記事は一般的な情報で、個別の案件への参加や落札を約束するものではありません。