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入札で落ちる理由は5つ。落札できない会社の見直し方

公開:2026年10月31日

「何度入札しても、落札できない」。そう感じたとき、多くの会社はまず値段を下げることを考えます。けれども、入札で落ちる理由は値段の高さだけではありません。答えを先に言うと、落ちる理由は大きく「無効」「予定価格を超えた」「安すぎた」「点数で負けた」「くじで外れた」の5つです。どれに当たるかで、直すところがまったく違います。

この記事でわかること

落ちる理由は5つに分けられる

入札の結果が「不落札」だったとき、価格の競争で負けた場合のほかに、理由は次の5つに分けられます。

理由何が起きたか直すところ
1 無効資格・条件・書類のどこかが足りなかった公告の読み方と書類の確認
2 予定価格を超えた役所が決めた上限より高かった見積の積み上げ方
3 安すぎた最低制限価格を下回った、または低入札の調査で認められなかった原価の見直しと価格の下限の考え方
4 点数で負けた総合評価やプロポーザルで、提案・技術の点が届かなかった評価項目への答え方
5 くじで外れた同じ価格の会社が複数いた価格の決め方(端数の付け方など)

単純に、ほかの会社がより安い価格を出したという場合もあります。ただ、その前に1〜3のような「土俵に乗れていない」落ち方をしていないかを確かめることが大切です。

1 無効:条件を1つでも外すと金額は見られない

国の予算決算及び会計令(予決令)第76条では、公告に示した資格のない者の入札と、入札に関する条件に違反した入札は無効とする旨を、公告で明らかにすることになっています。自治体でも、地方自治法施行令第167条の6第2項に同じ決まりがあります。

つまり、どれだけ安い金額を出しても、資格や条件を1つでも満たしていなければ、その入札は無効です。よくあるのは次のような例です。

また、入札書は一度出すと書き換えや取り消しができません(会計法第29条の5第2項、地方自治法施行令第167条の8第3項)。出す前に、金額と書類を2人以上で確かめる仕組みをつくっておくと、うっかりの無効を減らせます。公告の読み方は入札の公告・仕様書の読み方にまとめました。

2 予定価格を超えた:上限より高いと落札できない

役所は入札の前に、仕様書などをもとに「予定価格」を決めています(予決令第79条)。会計法第29条の6と地方自治法第234条第3項では、予定価格の制限の範囲内で最も有利な価格を出した者を相手にすることになっています。予定価格を超えた入札は、ほかに参加者がいなくても落札できません。

予決令第80条によると、予定価格は、取引の実例価格、需給の状況、履行の難易、数量の多寡、履行期間の長短などを考えて決めることになっています。自社の価格が毎回それを上回っているなら、見積の積み上げ方を見直す必要があります。

自治体では、開札して予定価格の範囲内の入札がないとき、その場で再度の入札をすることができます(地方自治法施行令第167条の8第4項)。再度の入札に備えて、どこまで下げられるかを事前に決めておくと慌てずにすみます。

予定価格は、事後に公表されることがある

予定価格を入札のあとに公表している機関もあります。自社の価格と予定価格の差を見れば、どの費用が高かったのかを考える材料になります。公表のしかたは機関ごとに違うので、発注機関の入札結果のページで確かめてください。

3 安すぎた:最低制限価格と低入札の調査

値段を下げれば落札できる、とは限りません。安すぎる価格を出した場合の決まりがあります。

自治体国
最低制限価格工事・製造そのほかの請負の契約で、あらかじめ設けることができる。下回った入札は落札者にならない(地方自治法施行令第167条の10第2項)―
低入札の調査請負の契約で、その価格では契約の内容に合った履行がされないおそれがあると認めるときなどは、落札者にしないことができる(同条第1項)予定価格1,000万円を超える工事・製造そのほかの請負契約で、基準を下回ると調査があり、落札者にならないことがある(予決令第84条〜第88条)

最低制限価格は、清掃や警備などの委託(請負の契約)でも使われることがあります。最低制限価格を設けている入札では、下回った時点で落札できないので、とにかく安く出す戦い方は通用しません。

国の低入札の調査は、予決令第84条で、予定価格が1,000万円(各省各庁の長が財務大臣と協議して1,000万円を超える金額を定めたときは、その金額)を超える工事・製造そのほかの請負契約が対象とされています。調査の結果、契約の内容に合った履行がされないおそれがあると判断されると、次に安い会社が落札者になることがあります。

最低制限価格や調査の基準の決め方は、発注機関ごとに違います。発注機関の公告や、入札・契約の決まりを公開しているページで確かめてください。

4 点数で負けた:総合評価とプロポーザル

価格だけでなく、提案や技術の中身も点数にして決める入札もあります。自治体では地方自治法施行令第167条の10の2で、価格そのほかの条件が最も有利なものを落札者とする「総合評価一般競争入札」が決まっていて、あらかじめ落札者決定基準を定め、公告することになっています。

総合評価やプロポーザルで負けたときは、価格よりも評価項目への答え方を見直します。

  1. 評価項目と配点の表を読み直し、配点の大きい項目に十分に答えていたか
  2. 実施体制や実績など、書類で示すべきことを示していたか
  3. 結果の通知や公表で、項目ごとの点数がわかる場合は、どこで差がついたか

提案書の書き方はプロポーザルで選ばれる企画提案書のつくり方にまとめています。

5 くじで外れた:同じ価格がそろったとき

落札となるべき同じ価格の入札が2人以上いたときは、くじで落札者を決めます(予決令第83条、地方自治法施行令第167条の9)。最低制限価格がある入札などで、多くの会社が同じ価格に集まると、くじになることがあります。くじが続くときは、価格を出す考え方そのものを見直すきっかけにしましょう。

落ちたあとにやること

落ちた入札は、次の入札のための材料になります。入札のたびに、次のことを記録しておきましょう。

記録すること使い道
自社の価格と、落札した価格価格の差から、どの費用を見直すか考える
参加した会社の数競争が激しい分野か、参加が少ない分野かを見る
予定価格(公表されていれば)自社の見積の積み上げ方が合っているかを見る
無効や失格の有無と理由書類の確認の手順を直す

それでも落札が続かないときは、出す募集の選び方を変えるのも1つの方法です。自社の仕事に近い内容、通いやすい地域、参加する会社が少なそうな分野、金額の小さい見積の募集など、勝てる見込みのある募集に絞ると、限られた時間を有効に使えます。入札の決め方の違いは一般競争入札と指名競争入札の違い、見積の小さな仕事は「入札は難しそう」と感じたらで紹介しています。

まとめ

勝てる見込みのある募集を見つけるには、まず数多くの公告に目を通すことが近道です。入札ウォッチの無料登録で、業種と地域に合う新着を週1回メールで受け取れます。

出典・参考にした公式の情報

制度や金額は記事を書いた時点のものです。実際に申し込むときは、発注機関の公告・仕様書と、上の公式の情報で確かめてください。この記事は一般的な情報で、個別の案件への参加や落札を約束するものではありません。