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個人事業主でも入札に参加できる?資格の申請書類と、法人と違うところ

公開:2026年11月3日

「入札は会社でないと出られない」と思っている方は多いかもしれません。答えを先に言うと、個人事業主でも参加できる道はあります。国の法令に個人を外す決まりはなく、国の全省庁統一資格には個人の場合の書類が決められています。ただし、書類が法人と違い、案件ごとの条件で参加できないこともあります。確かめる順番をまとめます。

この記事でわかること

先に答え:個人を理由に外す法令の決まりはない

国の一般競争に参加させることができない者は、予算決算及び会計令第70条に書かれています。

自治体でも、地方自治法施行令第167条の4に同じ内容があります。どちらにも「個人」は入っていません。

さらに、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律では、「中小企業者」の定義に、会社とならんで個人が含まれています(第2条)。事業を始めて10年未満の個人は「新規中小企業者」にも当たります。国の令和8年度の基本方針は、新規中小企業者の受注の機会を増やす措置を挙げています。

ただし、これは機会が開かれているという話で、受注を約束するものではありません。各機関が定める資格と、案件ごとの条件は別にあります。

「法令で外されない」と「その案件に出られる」は別

発注機関は、実績、従業員の数、資本の額など、経営の規模や状況を資格の要件にできます(予算決算及び会計令第72条、地方自治法施行令第167条の5)。案件によっては、実績や許可、資格者の人数などの条件で、個人では出にくいこともあります。公告の参加資格の欄を最初に読んでください。

国の資格:全省庁統一資格の個人の書類

全省庁統一資格の手順そのものは法人と同じです。全省庁統一資格の取り方にまとめています。違うのは添付書類です。

書類法人個人
登記事項証明書の写し要る―
財務の書類財務諸表営業用純資本額に関する書類と収支計算書
納税証明書の写しその2とその3の3その2とその3の2
納税証明書の税目消費税及び地方消費税、法人税消費税及び地方消費税、所得税

電子納税証明書も使えます。組み合わせの細かい決まりは変わることがあるので、申請の前に調達ポータルの案内を確かめてください。

等級はDから考える

等級は、販売高、自己資本、流動比率、営業年数の点数の合計で決まります(物品の製造は機械設備等の額も加わります)。合計55点未満がDです(物品の製造・物品の販売・役務の提供等の場合)。個人事業主の多くは、まずDになると考えておくと、選ぶ募集の見当がつきます。

Dでも出られる募集はあります。公告で対象の等級を見てください。基本方針でも、専門的な技術や資格が要らないなどの場合で、履行に支障がないと認められ、参加者を増やす必要があるときは、下位の等級の参加もできるよう弾力的に運用するとしています。

自治体の資格:個人だけに求められる書類がある

自治体の資格は、書類が自治体ごとに違います。例として、大阪府の物品・委託役務の個人向けの一覧を見てみます(2026年10月5日更新のページ)。

書類取る場所気をつけるところ
身分証明書本籍地の市区町村発行後3か月以内。住民票ではない
登記されていないことの証明書法務局発行後3か月以内。成年被後見人、被保佐人、被補助人の3項目の証明が要る
府税の納税証明書府税事務所発行後3か月以内。全税目
消費税及び地方消費税の納税証明書税務署発行後3か月以内。その3(その3の2も可)。電子納税証明書も可
貸借対照表自社最近1か年のもの。作っていない場合は確定申告書の写し
免許・許可などの証明書各許可機関許可や資格が要る種目の場合

身分証明書と登記されていないことの証明書は、聞き慣れない書類です。本籍地が遠いと郵送での取り寄せになることもあるので、早めに動きましょう。提出は電子申請で、書類は添付(アップロード)し、郵送は不要です。

他の自治体でも、法人税のところが所得税になるなど、個人向けの読み替えがあります。たとえば柏市の学校給食の納入業者の要件では、「法人税(個人事業者にあたっては所得税)」と書かれています。申請先の「個人用」の案内を探して読んでください。受付の時期は自治体の入札参加資格は、いつ申請する?を見てください。

青色申告の決算書を見直しておく

国は収支計算書、大阪府は貸借対照表か確定申告書の写しを求めています。ふだんの帳簿と決算書がきちんと整っていれば、申請の準備はぐっと楽になります。屋号と本名の表記が書類の間でそろっているかも見ておきましょう。

法人にしたら、資格はどうなる

全省庁統一資格の公示には、有資格者に個人から法人への変更などがあった場合は、申請を改めて行うと書かれています。法人にしたからといって、そのまま引き継げるわけではありません。自治体の資格でも扱いを確かめてください。

法人にする予定が近いなら、資格を取る順番も考えておくと無駄がありません。法人にしたばかりの会社の始め方は創業間もない会社でも入札に参加できる?でも紹介しています。

個人事業主に向いている選び方

入札の書類に受かることと、仕事をやりきれることは別です。1人や少人数で動く場合は、次の見方で募集を選びます。

  1. 金額の小さい見積から:予定価格の小さい仕事は、入札より手続きが軽い見積合わせで決まることが多くあります。オープンカウンターとはで探し方を紹介しています
  2. 自分がいないと止まらないか:病気や別の仕事と重なったときに、納期を守れるか。清掃や窓口のように、毎日決まった人数が要る仕事は、代わりの人を立てられるかを考えます
  3. 納品物で終わる仕事か:印刷物の納品、原稿や調査の報告書、Web制作など、成果物を納めて終わる仕事は少人数でも組みやすい傾向があります。業種ごとの見方は業種と都道府県ごとの一覧から探せます
  4. 支払いまでの資金が足りるか:公共の仕事は、納品と検査のあとに支払われるのがふつうです。材料や外注の費用を先に払う仕事は、手元の資金を確かめます
  5. 再委託の条件を読む:仕事の一部を仲間に頼むつもりなら、仕様書で再委託が認められているか、届出が要るかを確かめます

よくある疑問

屋号がなくても申請できる?

申請の様式は機関ごとに違うので、屋号の書き方は申請先の案内で確かめてください。契約の相手は個人である事業主本人になるので、書類の氏名と住所をそろえておきます。

副業でも出られる?

法令には副業かどうかで外す決まりは書かれていません。ただ、納税証明書や収支計算書など、事業を確かめる書類が求められます。本業の勤務先の決まりも含めて、自身の状況に合わせて確かめてください。

まとめ

1人で公告を毎日探すのは大変です。入札ウォッチの無料登録で、業種と地域に合う新着を週1回メールで受け取れます。

出典・参考にした公式の情報

制度や金額は記事を書いた時点のものです。実際に申し込むときは、発注機関の公告・仕様書と、上の公式の情報で確かめてください。この記事は一般的な情報で、個別の案件への参加や落札を約束するものではありません。