業種別の始め方

警備会社が入札に参加するには。認定・届出・責任者など参加資格の確かめ方

公開:2026年11月1日

庁舎の受付や巡回、学校の夜間警備、イベントの雑踏警備、工事現場の交通誘導。国や自治体は、毎年たくさんの警備の仕事を外に出しています。警備は法律で認定を受けた会社しかできない仕事なので、入札でも警備業法にもとづく条件が参加資格に入ることがよくあります。警備会社が役所の入札に参加するときに確かめたいことを、順番にまとめます。

この記事でわかること

先に答え:入札で見られやすい4つの条件

警備会社が国や自治体の入札に出るとき、参加資格として見られやすいのは次の4つです。

条件中身根拠
警備業の認定都道府県公安委員会の認定を受けている警備業法第4条
他県での届出主たる営業所のある都道府県の外で警備をするなら、その都道府県の公安委員会に届け出ている警備業法第9条
警備員指導教育責任者営業所ごと・警備業務の区分ごとに選んでいる警備業法第22条
入札参加資格国なら全省庁統一資格、自治体ならその自治体の資格各発注機関の決まり

このほかに、地元に本店や営業所があること、同じような業務の実績があること、などを条件にする募集もあります。何が求められるかは募集ごとに違うので、公告の「参加資格」の欄を最初に読むのが基本です。

警備業法の決まりをおさえる

認定がないと、警備業はできない

警備業法第4条は、警備業を営もうとする者は、都道府県公安委員会の認定を受けなければならないと定めています。認定の申請は、主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会に出します(第5条)。認定の有効期間は、認定を受けた日から5年です(第5条第4項)。

入札に出る前に、認定が有効期間の中にあるかを確かめておきましょう。更新の手続きが入札の時期と重なると、書類をそろえるのが大変になります。

警備業務の4つの区分

警備業法第2条第1項は、警備業務を次の4つに分けています。

区分中身役所の仕事の例
第1号事務所・住宅・駐車場などの施設での盗難などの事故を警戒し、防止する庁舎や学校の常駐警備・巡回・機械警備
第2号人や車が混雑する場所、通行に危険がある場所での負傷などの事故を警戒し、防止するイベントの雑踏警備、工事現場の交通誘導
第3号運搬中の現金・貴金属・美術品などの盗難を警戒し、防止する現金や貴重品の輸送の警備
第4号人の身体への危害を、その身辺で警戒し、防止する身辺の警備

警備員指導教育責任者は、この区分ごとに選ぶ決まりです。自社が取り扱っている区分と、募集の仕事の区分が合っているかを確かめてください。

他の都道府県で警備をするときは届出

警備業法第9条は、主たる営業所のある都道府県の外に営業所を置いたり、その区域で警備業務をしたりするときは、その都道府県の公安委員会に届出書を出すよう定めています。

隣の県の自治体の入札に出るときなどは、この届出をしていることを参加資格に入れる募集があります。入札に出ようとしている地域で、届出が済んでいるかを先に確かめておきましょう。

警備員指導教育責任者と検定

警備業法第22条は、営業所ごと・警備業務の区分ごとに、警備員指導教育責任者を、資格者証の交付を受けた人の中から選ぶよう定めています。入札の公告で、この責任者を置いていることを条件にする例があります。

また、第23条は、公安委員会が警備員の知識と能力について、警備業務の種別ごとに検定を行うと定めています。公告や仕様書によっては、検定に合格した警備員を配置することを求めるものがあります。どの業務で、何人の合格者が要るかは、仕様書で確かめてください。

届出や責任者の条件は、見落としやすい

認定を受けていても、他県での届出が済んでいない、その区分の警備員指導教育責任者がいない、という理由で参加できないことがあります。公告の参加資格の欄に警備業法の条文番号が書かれていたら、自社が満たしているかを一つずつ確かめてください。

入札参加資格をとる

警備の仕事は、工事ではなく役務の仕事です。国の省庁の入札に出るには、全省庁統一資格の「役務の提供等」で申請します。資格の等級は、売上高・自己資本・流動比率・営業年数の点数の合計で決まり、等級によって参加できる予定価格の範囲が変わります。申請の手順は全省庁統一資格の取り方にまとめています。

都道府県や市の入札に出るには、その自治体の資格が要ります。自治体によっては、資格を申請するときの業種の区分の中に「警備」があり、そこで警備業の認定を証明する書類を求めることがあります。受付の時期は自治体の入札参加資格は、いつ申請する?で紹介しています。

公告と仕様書で見るところ

警備の仕事の公告と仕様書では、次のところを見ます。

見るところ確かめること
警備の場所と時間何か所を、何時から何時まで、何人で警備するか。夜間・休日の有無
配置の人数と資格常駐の人数、検定合格者の要否、責任者の配置
業務の中身受付、巡回、鍵の管理、機械警備の対応、緊急時の連絡の流れ
契約の期間1年単位か、イベントなど短期か
現場の下見下見の日程と、申し込みの締切
決め方価格だけで決めるか、提案や体制も評価するか

警備は、人の時間がそのまま費用になる仕事です。仕様書の時間と人数を、勤務の形(交代の回数、休憩、深夜の割増しなど)に置きかえて、人件費を一つずつ積み上げてから価格を決めます。仕様書の読み方は入札の公告・仕様書の読み方にまとめています。

価格を下げすぎない

人件費が中心の仕事ほど、価格を下げると働く人に無理が出ます。国の令和8年度の基本方針は、最新の実勢価格を予定価格に反映すること、価格交渉のときに一方的に価格を決めないこと、契約後の状況に応じて契約変更を適切に行うことなどを、価格転嫁・取引適正化の措置として挙げています。契約の途中で人件費が大きく上がったときは、発注機関に相談する余地があります。まずは、赤字にならない価格で出すことが前提です。

警備の仕事の探し方

警備の募集は、庁舎の管理を担当する部署や、学校・病院・文化施設などを持つ機関から出ます。探し方は次のとおりです。

清掃や設備の保守とあわせて、建物の管理全体の始め方は清掃・警備・設備保守の会社が、役所の仕事を始める手順で紹介しています。都道府県ごとの直近の公告は、清掃・警備・設備保守の入札の一覧で見られます。

まとめ

警備の募集は、建物を持つ多くの機関から出ます。入札ウォッチの無料登録で、業種と地域に合う新着の公告を週1回メールで受け取れます。

出典・参考にした公式の情報

制度や金額は記事を書いた時点のものです。実際に申し込むときは、発注機関の公告・仕様書と、上の公式の情報で確かめてください。この記事は一般的な情報で、個別の案件への参加や落札を約束するものではありません。