入札の基本

入札保証金と契約保証金とは。金額の目安と免除される場合、公告の見方

公開:2026年11月3日

公告に「入札保証金」「契約保証金」と書いてあると、大きなお金を用意しないと参加できないように見えます。答えを先に言うと、国の場合、入札保証金は見積る金額の100分の5以上、契約保証金は契約金額の100分の10以上が法律の原則です。ただし、保険を使う場合や、資格を持つ会社で必要がないと認められる場合などには、全部または一部を納めなくてよいことがあります。どちらも、案件ごとの扱いは公告に書かれます。

この記事でわかること

先に答え:2つの保証金は、備えるものが違う

名前が似ていますが、納める時点も、備えるものも違います。

比べるところ入札保証金契約保証金
何への備えか落札したのに契約を結ばないこと契約したのに履行しないこと
納める時点入札の前(福岡市は開札前まで)契約の前(福岡市は契約の締結まで)
国の金額見積る契約金額の100分の5以上契約金額の100分の10以上
自治体の金額規則で定める率または額規則で定める率または額
国の根拠会計法第29条の4会計法第29条の9
自治体の根拠地方自治法施行令第167条の7地方自治法施行令第167条の16

金額の感覚をつかむために、計算の例を示します。

例(福岡市の規則の率で計算)金額
500万円で入札するときの入札保証金25万円以上
500万円で契約するときの契約保証金50万円以上

実際に納めるかどうかは案件ごとに違い、次に書くように免除されることもあります。金額に消費税を含めるかどうかも、発注機関の説明を確かめてください。たとえば横浜市の委託契約の説明書では、税込みの入札金額を基準にしています。

国の決まり

入札保証金

会計法第29条の4は、競争に加わろうとする者に、見積る契約金額の100分の5以上の保証金を納めさせると定めています。ただし、必要がないと認められる場合は、全部または一部を納めさせないことができます。その場合は予算決算及び会計令第77条に書かれています。

第72条第1項の資格というのは、各省各庁の長が定める競争参加の資格のことです。物品や役務なら、ふつうは全省庁統一資格がこれに当たります。資格を持っていれば自動的に免除になるわけではなく、「おそれがないと認められるとき」という条件があるので、案件ごとの公告で確かめます。

契約保証金

会計法第29条の9は、国と契約を結ぶ者に、契約金額の100分の10以上の契約保証金を納めさせると定めています。免除は予算決算及び会計令第100条の3にあります。

納めた契約保証金は、契約上の義務を履行しないときは国庫に入ります(損害の賠償や違約金について契約で別に定めたときは、その定めによります。会計法第29条の10)。

現金でなくてもよい場合

保証金は、現金のかわりに担保で納められることがあります。国の入札保証金の場合、国債のほか、政府の保証のある債券、銀行などの発行する債券、銀行が振り出しまたは支払保証をした小切手などが挙げられています(予算決算及び会計令第78条)。

自治体でも、国債、地方債その他の長が認める担保で代えられます(地方自治法施行令第167条の7第2項)。どの担保を認めるかは自治体ごとに違い、福岡市の入札保証金では「市長が確実と認める金融機関の保証」、横浜市の委託契約の説明書では、金融機関の入札保証や利付国債等が挙げられています。

自治体の決まり:率も手続きも自治体ごと

自治体は、規則で率や額を決めます。法令にある率がそのまま使われるわけではありません。

自治体の例入札保証金契約保証金免除の例
福岡市(契約事務規則)見積もる契約金額の100分の5以上契約金額の100分の10以上入札保証保険契約、履行保証保険契約など
横浜市(委託契約の説明書・令和8年4月1日版)公告で求められたときに、税込みの入札金額の100分の10以上(説明書の対象外)入札保証保険契約を結んだ場合

同じ「入札保証金」でも、率が違う例です。福岡市の規則では、長期継続契約と単価契約のときは、そのつど市長が額を定めるとしています。率を覚えるより、参加する自治体の規則と公告を読むほうが確かです。

入札保証金は返ってくる

入札保証金は、掛け捨ての費用ではありません。福岡市の規則では、開札が終わったときや入札を中止したときに還付するとしています。落札者の分は、契約保証金に充てることがあり、充てない場合は契約保証金を納めたあとに還付します。

一方で、落札者が契約の締結までに契約保証金を納めないと、福岡市の規則では契約を結ばないものとみなされます。落札してから慌てないように、納付の期限を先に確かめておきましょう。

公告で見るのは、保証金の欄の一文

公告の「入札保証金及び契約保証金」の欄には、たとえば「免除する」「納付すること」のように扱いが書かれます。福岡市の規則でも、保証金に関する事項は公告する項目のひとつです。読み方の全体は入札の公告・仕様書の読み方にまとめています。

参加する前の確かめ方

  1. 公告で要否を見る:入札保証金と契約保証金のそれぞれについて、納付か免除か
  2. 免除の条件を見る:保険証券の提出が要るのか、過去の実績の書類が要るのかなど
  3. 納める方法と期限を見る:現金、担保、保険のどれが使えるか。いつまでに、どこへ出すか
  4. わからなければ聞く:質問の受付期間に、発注機関へ確かめる

保険や金融機関の保証を使う場合は、手続きに日数がかかることがあります。費用や審査の条件は保険会社や金融機関に確かめてください。公告を見てから締切までの時間が短いと間に合わないこともあるので、保証の手続きが要る案件は早めに動きます。

資金繰りで気をつけたいこと

保証金を納める案件では、入札や契約の前にまとまったお金が動きます。公共の仕事の代金は、納品と検査のあとに支払われるのがふつうなので、その間の資金が足りるかを先に考えておきましょう。売上の安定と資金の考え方は公共の仕事で売上を安定させるでも紹介しています。

はじめての会社は、まず金額の小さい見積の仕事から入るのもひとつの方法です。保証金の扱いは案件によりますが、オープンカウンターとはで紹介している見積合わせは、入札より手続きが軽いことが多く、書類に慣れるのに向いています。

まとめ

保証金の準備に時間がかかる案件ほど、公告を早く見つけることが大切です。入札ウォッチの無料登録で、業種と地域に合う新着を週1回メールで受け取れます。

出典・参考にした公式の情報

制度や金額は記事を書いた時点のものです。実際に申し込むときは、発注機関の公告・仕様書と、上の公式の情報で確かめてください。この記事は一般的な情報で、個別の案件への参加や落札を約束するものではありません。